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【失敗しない!】中古トラック購入の注意点を運送業界のプロが解説

2024.04.10 13:25:45

中古トラックを購入する際は、価格のみで決めないことをおすすめします。走行距離や修復歴などから総合的に判断することが大切です。中古トラックの購入における注意点や比較する際のポイントを解説します。これから検討される方はぜひ参考にしてください。

中古トラックを購入する際は、業務などで長時間利用する場合がほとんどのため、いくつか注意点をおさえて購入する必要があるでしょう。

つい価格のみで決めてしまいそうになりますが、走行距離や修復歴を含め、部品の劣化具合なども、中古トラックの選定におけるポイントになります。

今回は中古トラックの選び方について、購入する際の注意点と現車確認時のそれぞれを中古トラックのプロが解説します。

これから中古トラックの購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

1. 中古トラックを購入する際の4つの注意点

中古トラックを価格のみで選ぶと、使用感が合わなかったり、何度も修理が必要になったりする可能性があります。

本章では、中古トラックを購入する際の注意点を4つご紹介します。

1-1. 走行距離はどれくらいか?

中古トラック購入の注意点1つ目は、走行距離はどれくらいか確認することです。

走行距離が長いほど、各部品の劣化が激しくなっている恐れがあるためです。

年式が古くても走行距離が少ないトラックなら、部品の劣化が少なく、性能にも問題がない可能性が高いでしょう。

逆に年式は比較的新しくても、走行距離が長い場合、年式の割に劣化が進んでいる可能性もあります。

そのため、年式が新しいからといって、劣化がほとんどないとは限らないためご注意ください。

走行距離と、年式のバランスに着目することが大切です。

1-2. 修復歴があるか?

中古トラック購入の注意点2つ目は、修復歴があるか確認することです。

修復歴がある車両は、機関部に損傷箇所が残っている恐れがあり、早めに故障するリスクが高いといえます。

修復歴のあるすべての車両が、早めに故障するわけではありませんが、修復時に直しきれなかった損傷が残っている可能性はあるでしょう。

ちなみに車体の骨格(フレーム)部を交換または修復(修正・補修)していると、修復歴ありの車両に該当します。

「一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)」で定められている基準においては、以下のように公表しています。

(修復歴の定義)

“日査協、公取協などの統一基準として修復歴車と定義されているのは、骨格(フレーム)部位等を交換したり、あるいは修復(修正・補修)したものが修復歴車(事故車)となります。”

引用:一般財団法人 日本自動車査定協会(JAAI)「修復歴の考え方」

車の骨格とは、以下の箇所です。

  • ● フレーム (サイドメンバー)
  • ● フロントクロスメンバー
  • ● フロントインサイドパネル
  • ● ピラー
  • ● ダッシュパネル
  • ● ルーフパネル
  • ● ルームフロアパネル
  • ● トランクフロアパネル
  • ● ラジエータコアサポート

事故などで、過去に上記の箇所を修復した車両が、「修復歴車」と呼ばれます。

車の骨格部分以外の、修理や交換を行った車両は「修理歴車」なので、「修復歴車」と混同しないように注意が必要です。

修復歴は、車両の安全性にも関わる重要な部分の修復を行ったことを示し、大掛かりな作業を行った可能性が高いため、査定額にも影響し、表示義務もあります。

しかし修理歴は軽度な作業で完結した修理も含まれるため、査定額にも影響がなければ表示義務もありません。

「修復歴車」と「修理歴車」の違いを知らずに、修復歴車を購入してしまうと、安全面に問題がある中古トラックを選んでしまう危険性が高くなるでしょう。

そのため、「修復歴車」と「修理歴車」の違いを理解したうえで、修復歴の有無を確認する必要があります。

1-3. エンジンの稼働とハンドルの動作に異常はないか?

中古トラック購入の注意点3つ目は、エンジンの稼働とハンドルの動作に異常がないか確認することです。

エンジンとハンドルの激しい劣化は、事故につながる恐れがあり、たいへん危険です。

たとえば、エンジンをかけたときに異音がした場合、考えられる原因として「ノッキング」が挙げられます。

ノッキングとは、エンジンの異常燃焼の1つで、放置すると走行中にエンジンが故障し事故につながる恐れがあります。

また、ハンドルにガタつきがあったり、スムーズに動かなかったりすることも、事故につながる恐れがある危険な状態といえるでしょう。

ハンドルがスムーズに動かない原因として考えられるのは、タイヤホイールのバランスが悪いことやブレーキローターの歪みなどです。

中古トラックである以上、各部品が多少劣化している可能性は否めません。

事故を防ぐためにも、エンジンの稼働とハンドルの動作に関しては慎重に確認をしましょう。

1-4. どのような使用歴があるか?

中古トラック購入の注意点4つ目は、使用歴を確認することです。

使用歴により、経年劣化の進み具合などが異なると考えられます。

たとえば運送会社で使用されていたトラックなら、おそらく使用頻度も高かったため、全体的な経年劣化が進んでいるでしょう。

しかし、自家用車のトラックであれば、事業用やレンタルと比較して使用頻度も低いため、劣化も少ない傾向があります。

使用歴に関しては、上記のような車両の用途で判断ができます。

2. 現車確認時の注意点(外装・内装・付属品)

前項でご紹介した注意点をふまえて、現車を確認する必要があります。

本章では、現車確認時の注意点を外装・内装・付属品に分けてご紹介します。

2-1. 外装で確認すること

どのトラックを購入するか検討する際、外装から確認される方も多いのではないでしょうか。

トラックの外装を確認することで、修理歴の発見につながったり、安全な車両かどうかを見極めたりできます。

また、業務に支障がない車両かどうかの判断も、外装確認の際に行えるでしょう。

トラックの外装で確認するポイントを3つご紹介するため、外装確認時の参考にしてください。

2-1-1. どのくらいの傷やへこみがあるか?

中古トラックのなかには、傷やへこみがある場合があります。

しかし、最も確認するべきなのは、その傷やへこみがトラックの使用に支障がないかどうかです。

どのように付いた傷やへこみなのかも含め、販売店に確認しましょう。

2-1-2. 車検や点検整備済みのステッカーが貼られているか?

中古トラックが、どのようなメンテナンスを受けていたかを把握するためにも、車検や点検整備済みのステッカーが貼られているか確認することも重要です。

なるべく長く乗れて、安全な中古トラックを購入するためにも、車検や点検整備済みのステッカーは必ず確認しましょう。

2-1-3. 荷室に問題はないか?

トラックは荷物を運ぶ車両であるため、荷室のコンディションも非常に重要です。

トラックの荷室は湿気が溜まりやすいため、四隅を中心にサビが発生している恐れがあります。

サビ具合も含め、荷室のドアや荷台のアオリの動きがスムーズであるかも、外装を見る際に確認しておきましょう。

2-2. 内装で確認すること

外装に問題がなければ、次は内装を確認します。

トラックを長時間運転される場合、車内の快適さは非常に重要なのではないでしょうか。

車内の快適さはトラックの内装の確認で把握でき、トラックの購入後に車内でどのように過ごせるかをイメージできるメリットがあるため、内装の確認も見落とせません。

本章では、中古トラックの内装で確認したいポイントを3つご紹介します。

2-2-1. 車内に異臭はないか?

たとえば、タバコの臭いが苦手な方であれば、車内がタバコ臭いトラックの購入は、なるべく避けたいのではないでしょうか。

納車前のクリーニングでは、灰皿に付着しているタバコの灰による悪臭は消えない場合があります。

トラックは長時間運転することも多いため、臭いなどの車内環境はできるだけ快適にしたいはずです。

そのため、内装を見る際は臭いも確認し、どうしても気になる場合は、販売店へ相談するのがおすすめです。

2-2-2. エアコンは稼働するか?

季節に関係なく、エアコンの稼働状況は必ず確認しましょう。

臭いと同様、エアコンは車内環境に大きく影響します。

エアコンの効きが悪い場合は、ガス漏れやラジエーターの故障が考えられるため、販売店に報告し修理してもらうことを推奨します。

トラックを運転される方は、車内で過ごす時間も長いはずです。

エアコンが稼働しないと、夏は暑く、冬は寒い車内で長時間過ごすことになるため、エアコンは必須といえます。

2-2-3. 表示灯や警告灯は点灯するか?

トラックのパネルメーター内の表示灯や警告灯が、しっかり点灯するかも内装を見る際に併せて確認しましょう。

トラックのパネルメーター内には、約30個の表示灯や警告灯が装備されています。

表示灯や警告灯には、トラックに搭載される機能のトラブルや故障を知らせる重要な役割があります。

点灯しなかったことにより、トラブルや故障に気付かず、思わぬ事故につながる恐れもあるでしょう。

エンジンキーをアクセサリーの位置まで回すと、表示灯と警告灯が点灯します。

しっかり点灯するかの確認に加え、表示灯や警告灯がそれぞれ何を示すのかも併せて確認しましょう。

2-3. 付属品で確認すること

現車確認の際、最後に確認したいのは車検証などの付属品です。

また、トラックの故障時に、役立つ付属品が付いているかの確認も欠かせません。

本章では、最低でも確認しておきたい中古トラックの付属品3つをご紹介します。

2-3-1. 車検証などは付属しているか?

以下の書面は、トラックを所有するうえで必須といえるため、現車確認の際に付属しているか確認することを推奨します。

  • ● 車検証
  • ● 整備記録簿
  • ● 自動車税納付書
  • ● 自賠責保険証

中古トラックに車検がまだ残っている場合、車検証はもちろん、自動車税納付書や自賠責保険証の確認は必須です。

また整備記録簿も、トラックが定期的に整備されていたか確認できる書類なので、トラックの安全性を確認するためにも重要といえます。

2-3-2. 車載工具は揃っているか?

事業で使用することが多いトラックには、車載工具は必須といえます。

なぜなら多少のトラブルなら、車載工具で対処できる可能性があるためです。

たとえばタイヤがパンクした場合、車載工具を使い自分自身で対処できる方も多いのではないでしょうか。

タイヤのパンク時に対処するために、以下3つの工具は最低限必要なため、中古トラックの付属品として揃っているか確認することをおすすめします。

  • ● ジャッキ
  • ● レンチ
  • ● トルクレンチ

トラックが、いつ、どこでトラブルが起きるか予測することは難しいはずです。

トラブル発生時に車載工具がないことで、荷物の納品時間に遅れるなど、業務に支障をきたす恐れがあります。

そのような事態を避けるためには、車載工具が欠かせません。

付属品として車載工具がない場合は、別途で購入する必要があるため、現車確認の際に車載工具の有無を必ず確認しましょう。

2-3-3. スペアタイヤは付属しているか?

いつ、どこでトラブルが起きるか分からないからこそ、スペアタイヤは必須の付属品です。

遠方での走行中にタイヤがパンクしたり、バーストしたりした場合、スペアタイヤがないと非常に多くの時間を無駄にしてしまう危険性があります。

そのトラック専用のタイヤが必要であるケースもあるため、スペアタイヤの用意は欠かせません。

3. 契約・納車時の注意点

購入する中古トラックが決まったら、契約を行い、あとは納車を待つだけです。

契約・納車時の注意点は以下の通りです。

  • ● 契約時:契約書の内容をよく確認したうえで署名する
  • ● 納車時:契約書と異なる箇所がないか確認する

契約内容をよく確認せず署名してしまうと、「バックカメラがあると思っていたけどなかった」など後から見落としに気付き、後悔する可能性があります。

中古トラックの購入には確認事項が多いため、見落としがないように1つずつ確認しましょう。

4. 中古トラックはどこで購入するのがおすすめ?

中古トラックはインターネットを経由し、中古トラック専門サイトでの購入がおすすめです。

中古トラック専門店には「中古トラックの総合専門店」と「トラックメーカー」があります。

それぞれの特徴を簡単にまとめます。

  • ● 中古トラックの総合専門店:メーカーを問わないため中古トラックの種類が豊富、価格が安い
  • ● トラックのメーカー:自社メーカーの中古トラックのみ取り扱っている、価格は高めだがサポートや整備が充実

希望する条件を入力するだけで、ほしい中古トラックをインターネット上で探すことが可能です。

なお、ヤマトリースでも中古トラックの販売を行っており、お急ぎ納車にも対応しています。

トラックの売買ができる「トラマチ。」も運営していますので、中古トラックの購入を検討される方は、こちらも併せてご覧ください。

5. 中古トラック購入までの流れ

ヤマトリースで中古トラックを購入していただく場合、以下の流れで手続きを行っていただきます。

  • ● ヒアリング
  • ● 審査
  • ● 売買契約締結

ヤマトリースでは、お客様が希望するトラックを全国から取り寄せ、ご提案いたします。

中古トラックの購入についてのお悩みや疑問点があれば、お気軽にお問い合わせください。

6. まとめ

中古トラックを金額だけで決めてしまうと、購入に失敗してしまう危険性が高くなるでしょう。

金額が安いトラックほど、走行距離が長かったり、修復歴があったりする可能性が高いといえます。

そのような中古トラックは、短期間で故障する恐れがあり、最悪の場合、事故につながる危険性も否めません。

そのため、金額だけで決めるのではなく、走行距離や修復歴、各部品の劣化具合などから、総合的に判断されることを推奨します。

購入候補のトラックが決まったら、外装・内装・付属品も確認し、すべてに満足できる中古トラックを購入するのが理想的です。

本記事を参考に、失敗しない中古トラックの購入をしましょう。