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環境対策

環境対策で運行コストを削減!?

2022.12.22 17:15:10

2020年10月の「2050年カーボンニュートラル宣言」以降、二酸化炭素(CO₂)削減を求められる流れが急速に高まってきており、取引先からCO₂削減を求められている企業も出てきているのではないでしょうか?

「CO₂削減」と言われても、何をどう改善したらいいのか分からない。

そんな経営者の方も多くいらっしゃるかと思います。

「CO₂削減」と聞いて、自社ではハードルが高い取組みだと感じてしまいがちですが、CO₂削減を意識することで、運行コスト削減に繋がることをご存知でしょうか?

本記事では物流における環境対策で運行コストを削減できる方法について、解説します。

エコドライブで燃費改善

エコドライブとは、CO₂の排出量や燃料の消費量を減らすことを意識した運転方法のことで、エコドライブは環境対策だけではなく、運行コスト削減に繋がります。

では、「エコドライブ」とはどのような方法があるのでしょうか?

例えば、

急加速、急減速の少ない運転

ふんわりアクセル「eスタート」

発進するときは、穏やかにアクセルを踏んで発進しましょう(最初の5秒で、時速20Km程度が目安です)。日々の運転において、やさしい発進を心がけるだけで、10%程度燃費が改善します。焦らず、穏やかな発進は、安全運転にもつながります。

車間距離にゆとりをもった運転

車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転

走行中は、一定の速度で走ることを心がけましょう。車間距離が短くなると、ムダな加速・減速の機会が多くなり、市街地では2%程度、郊外では6%程度も燃費が悪化します。交通状況に応じて速度変化の少ない運転を心がけましょう。

減速時は早めにアクセルを離す

減速時は早めにアクセルを離そう

信号が変わるなど停止することがわかったら、早めにアクセルから足を離しましょう。そうするとエンジンブレーキが作動し、2%程度燃費が改善します。また、減速するときや坂道を下るときにもエンジンブレーキを活用しましょう。

アイドリングストップを心掛ける

ムダなアイドリングはやめよう

手待ち時間や荷物の積み下ろしなどによる駐停車の際は、アイドリングはやめましょう(※1)。

10分間のアイドリング(エアコンOFFの場合)で、130cc程度の燃料を消費します。また、現在の乗用車では基本的に暖機運転は不要です(※2)。

エンジンをかけたらすぐに出発しましょう。

※1 交差点で自らエンジンを止める手動アイドリングストップは、以下の点で安全性に問題があるため注意しましょう。(自動アイドリングストップ機能搭載車は問題ありません。)

・手動アイドリングストップ中に何度かブレーキを踏むとブレーキの効きが悪くなります。

・慣れないと誤動作や発進遅れが生じます。またバッテリーなどの部品寿命の低下によりエンジンが再始動しない場合があります。

・エアバッグなどの安全装置や方向指示器などが作動しないため、先頭車両付近や坂道での手動アイドリングストップはさけましょう。

※2 -20℃程度の極寒冷地など特別な状況を除き、走りながら暖めるウォームアップ走行で充分です。

などがあり、どれも今から始めることができる内容です。

ドライバー一人ひとりが自分の運転の見直す機会を作ることから始めるなど、小さな意識を習慣化することを会社全体で取り組んでみましょう。

また、エコドライブは環境対策、運行コストに加えて、交通事故の予防にも効果があります。

昨今、運送会社の安全面に対して重要視する荷主企業が増えてきており、全日本トラック協会の厳しい審査をクリアしてGマーク認定を受けた運送会社の信頼性・安心感は高まる傾向があります。

Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)取得支援サービス

適切な保守・点検の実施

タイヤの空気圧は時間の経過とともに低下していきます。

タイヤの空気圧が適正値より不足すると、市街地で2%程度、郊外で4%程度、燃費が悪化すると言われています。

燃費悪化を防ぐためには、定期的にタイヤの空気圧をチェックする習慣をつけることが重要です。

また、タイヤ自体も日々改良されています。

燃費の良いタイヤを選ぶために、いろんなタイヤメーカーを比較することでランニングコストの削減に繋がるかもしれません。

タイヤ調達サービス

さらに、エンジンオイルの劣化・減少はエンジン内部の毀損だけではなく、燃費を悪化させる要因に繋がります。

交換予定距離や交換予定日等を把握し、適切にメンテナンスをすることが重要です。

車両1台ごとに必要な定期点検の期日管理や整備の手続き等、煩雑な車両管理業務をリースに組み込むことで、適正なメンテナンス管理と事務省力化を図れます。

メンテナンスリース

適切な車両導入

必要以上に大きな車両で少量の荷物を運ぶと、輸送効率が悪化するだけではなく、輸送トン・キロあたりの燃費も悪くなります。

物量に合った車両を使用し、適正な積載率を維持することが重要です。

トラック売却・調達

また、昨今、電気自動車(EV自動車)を含めた次世代自動車が普及してきており、EVトラックにおいても、各メーカーの開発が進んでおり、航続距離が長い車種も出始めてきています。

フォークリフトの見直しを

自動車のEV化が進んでいるように、フォークリフトにおいても、各メーカーからバッテリー式のフォークリフトが発売されています。

フォークリフトは運送・倉庫会社にとって必要不可欠な荷役自動車につき、「環境対策」は切っても切ることができません。

バッテリー式フォークリフトが選ばれるメリットとして、「排気ガスが出ない」「ランニングコストが安い」の2つが挙げられます。

電力を動力とするため、もちろん排気ガスは出ませんし、ガソリン代の相場変動に左右されることもありません。

しかも、車体価格もエンジン式とバッテリー式を比較すると、「バッテリー式」の方が安価の傾向があり、調達コストを抑えることにも繋がります。

一方で、バッテリー式の場合、バッテリーがなくなるとバッテリー交換が発生し、追加費用が掛かってしまいます。

しかし、再生バッテリーを提供する企業も増えてきており、バッテリーを安価で調達することも可能です。

但し、エンジン式フォークリフトに比べると、バッテリー式フォークリフトの方がパワー面でやや劣るのが現状です。

まずは小回りが求められるような室内倉庫で使用するフォークリフトからバッテリー式フォークリフトに切り替えることをおすすめします。

環境対策意識が強まってきている状況に加えて、ガソリン代高騰の影響で、バッテリー式フォークリフトの需要が高まってきているこのタイミングで一度、見直しを検討してみてください。

フォークリフトリース・売却

まとめ:燃費改善で運行コスト削減へ

燃費改善を意識することでCO₂削減に繋がるだけではなく、結果として運行コスト削減へと繋がります。

日々の運行や車両管理を意識することで、環境対策や自社のコスト削減に大きく貢献するかもしれません。

まずは、自社のどこで多くのCO₂を排出されているのかを把握し、改善できるポイントを探してみましょう。

※出典:「エコドライブ10のすすめ」環境省

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/ecodriver/point/

(2022年12月1日に利用)